アルバム「ark」(1999年)

同時発売の「ray」に対して、こちらは明るい世間受けの良いシングル曲とやはり少々クセの強い楽曲がが並ぶアルバムとなっている。個人的に「ark」に収録されているシングル曲は全て大好きな曲ばかりなので、シングル曲の中から抜粋して三曲ほど紹介していく。

おすすめ曲1「Driver’s high」

ラルクを全く知らない人でも聴いた事があるであろうアニメ「GTO」のオープニングテーマ。スピード狂をテーマとしたこの曲を聴きながら車を運転すると、マジでスピード違反で検挙されるので注意してほしい(ソースはワイ)。GTOって今の時代だとコンプラ的に絶対にアウトだよね。この殺伐とした時代に生きてはいないけど、なんでもアリの時代だったんだなと思う。

実は本曲は「戦争」「特攻隊」という重苦しい裏テーマがある。その証拠に途中で「目の前にはミサイルの雨」「鋼の翼」「爆発して灰になっても」「来世でまた会おう」という歌詞が出てくるが、これは間もなく命を失う特攻隊員が乗る航空機を意味している。実際の話で、特攻隊員は搭乗の直前に覚⚫︎剤チョコを食べて恐怖を紛らわせていたという史実を聞いた事がある。

おすすめ曲2「Heaven’s Drive」

個人的に「ark」を象徴する曲である。ライブ映像の急かしがちなテンポが丁度良い。
「壊れそうなスピード上げて連れ去ってくれ」という歌詞が「薄暗く閉鎖的になりがちな身の回りの社会から、ノアの方舟に乗せて別世界へ連れ去ってほしい」というリスナーの共感を掴んだのだと思う。

別にはっきりと別世界へ連れて行ってほしいわけではない。ただ、このままレールに乗った人生を歩むことに対して、「刺激が足りない」「人生は退屈」に感じている自分が、反骨の意味も込めて「ちょいワルな自由な道」へと誘ってほしい、とせめて気持ちだけでも持っておこうと思っている。

おすすめ曲3「Pieces」

バラード調で神秘的な楽曲。曲も良いんだけど、PVがラルクの中でトップクラスに良い。具体的に何が良いかというと、PVの「ストーリー性」である。ラルクに全く興味のない時期に、このPVを視聴して、思わず見入ってしまった過去がある。

テーマは「手にすると人を殺めてしまう呪いがかかったナイフ」である。呪いのナイフは多くの人の手に渡り、100年に渡り世界各地で多くの人を傷つけてきた歴史がある。
1899年 シチリア → 1927年 ロンドン →
1940年 ワルシャワ → 1964年 香港 → 1972年 シカゴ
そして、1999年 ニューヨークで最後にナイフを手にしたのは…………….。