テクノ×ロックのパイオニア「The Chemical Brothers」
イギリスの電子音楽系ユニット。うねる様なベースが重なるドラムから生み出される電子音楽・ドラムンベース。生ドラムで演奏されたフレーズをスクラッチして、一つの音楽の形となるように繋ぎ合わせていくBreak Beatsの形で楽曲を制作しているのが特徴である。
作業用BGMとして、聴いておこうと思っていたアーティストに気が付けばハマっていた。90年代の音楽ばかり聴いている僕がいうのもアレなんですが、2024年の現代にThe Chemical Brothersが誕生したと言われても、先進的すぎて違和感がない。
「Break Beats」というジャンル
ロックファンである僕が一般的にテクノと呼んでいるのは、電子音楽の中のBreak Beatsという種類である。本来、電子音楽とはHIPHOPやインダストリアル、ハウス、R&Bとか色々ある(らしい)。正直、音楽のルーツやジャンル分けには興味が無かった。そこはあまり意識せず聴いていたので、細かい区分や定義は詳しくない。ただ、僕のように「The Prodigy」「THE MAD CUPSULE MARCKETS」が好きな人間はBreak Beatsというジャンルを聴いておけ、ということだった。
Album「Surrender」(1999)
実は最高傑作と呼び声高いアルバム。ひとまず全曲聴いたけど、どの曲も個性が強くて、曲の冒頭を聴いただけで、リズムとメロディが浮かんでくる。どれも楽曲が未来志向。何も分からずに侵入してしまった電脳空間で流れている音が、直接脳を伝って共有される感覚である。
PickUp.1「Hey Boy Hey Girl」 (1999)
アメリカやイギリスなどのレイヴ(ダンスミュージックイベント)でよく流されていた楽曲。現代日本のイベントとかでも「Hey Boy〜 Hey Girl〜」というフレーズが印象的すぎて、曲名は知らないけどフレーズだけ耳に残っている人が多い。
PickUp.2「Music:Response」(1999)
1曲目で濃いサイコデジタル感が溢れる曲を持ってきた。「Music:Response」はアルバムの先の展開に対して、ハードルを上げまくっている。「Surrenderとはこういうアルバムだけどついて来れる?」と呼びかけている。
PickUp.3「Out of Control」 (1999)
途中ギターの音色が聴こえてくるバンドテイストが強いと感じた曲。PVの前半の映像は実は飲料のCMで、後半から突如展開が変わり暴動の映像となる、という破茶滅茶な感じだった。何かメッセージ性があるのだろうか。「マスコミの嘘に騙されるなよ、俺たちはメディアの世論操作からは“制御不能”なんだよ」。