Album「ray」(1999)
98〜99年頃のラルクはまさに絶頂期である。二作同時リリースしたアルバム「ark」「ray」はそれぞれ200万枚売り上げた。「ray」は幻想的に死・終末を表現するラルクのダークさがより色濃く表現されている。「ノストラダムスの大予言」などを筆頭に終末思想が蔓延る時代、平成不況や就職氷河期も含めた社会不安を見事に昇華させた名盤である。
Pickup.1「花葬」(1998)
98年、代表曲「HONEY」「浸食 lose control」と共に三枚同時リリースされたうちの一曲である。
日本の100万枚以上を売り上げたミリオンヒットシングルの中で、一般受けから程遠いであろう楽曲である。たまにミリオンヒットメドレーを視聴するけど、「花葬」に関して言えば、よくこの曲が100万枚も売れるほど世間から受け入れられたなと思う(褒め言葉)
「HONEY」が病院にて人が死を悟っている様子を歌っているとしたら、「花葬」は人が死にゆく様子を、花びらが散っていく情景で表現している。
花葬といえば、変態的なベースライン!ラルクのベースラインといえば、安定したリズムに乗せながらも、メロディを奏でる動くのが特徴的である。その中でも、花葬は動くベースの筆頭とも言える楽曲であり、ベーシストのtetsuyaは花葬のベースラインこそ最高傑作と評している。是非ともベース音に注目して花葬という曲を味わってほしい。
Pickup.2「死の灰」(1999)
GLAYが20万人ツアーを開催して話題沸騰の中、全6ケ所の公演で65万人を動員した伝説の「GRAND CROSS TOUR」。ツアー名の由来は、1999年8月に実際に起こった「太陽系の惑星が地球を中心に十字に並ぶ天体現象」を指す。これは、ノストラダムスの大予言と重ねて、不吉の前兆とされていた。
そんな悪魔崇拝的な「GRAND CROSS TOUR」で演奏されたハードなロックナンバー「死の灰」。タイトル名だけ聞くと、「核による放射線降下物」を表現した悲観的な歌詞を想起するが、実際はギャンブル精神を楽しむかのような、反骨心が溢れるイかれたロックナンバーである。
Pickup.3「いばらの涙」(1999)
ファンの間でも文句なしでトップ5に入るほど人気の高い曲。
フランスの英雄・ジャンヌダルクが処刑場へ向かいながら、神に祈りを捧げる情景を浮かべながら、ボーカル・hydeが歌詞をつけた。2021年に開催された「30th L’Anniversary LIVE」でのイントロのピアノアレンジがあまりにも神秘的な雰囲気を纏いすぎて、10年間いばらの涙を聴いてきた僕も流石に鳥肌が立ちました。