Digital Rock
「デジタルロック」は、デジタル音楽とロックを融合させた音楽のジャンルです。名称は日本で生まれた単語のため、「デジタルロック」は日本でしか呼ばれていない?気がします。まあ、一般的にはテクノ的なアプローチが強いロックも含まれますが、逆にロック的なアプローチが強いテクノも包括されます。個人的には、ロックのスタイルから大きく逸脱しないようにしてほしいので、テクノ的アプローチが強調されたロックを好んで聴いています。
90年代頃に音楽誌上に「デジタルロック」というワードが頻出してきたと言いますが、実態は80年代〜90年代にはデジタルロックのスタイルは確立されていました。日本だと「THE MAD CUPSULE MARCKET」、欧米だと「the prodigy」「Static-X」が代表格と言えます。
RockとTechnoの壁を完全に壊したバンド「The Prodigy」
The Prodigyは、イギリスで結成されたバンドです。
ドラム、DJ、プログラミングど、バンドのサウンドシステムを背負う音の要・Liam Howlett
アクロバティックなダンスをするビジュアル最強の男・Maxim
トレードマークは逆モヒカン、マスコットの域のフロントマン・Keith Flint
の個性的なメンバーで構成されています。The Prodigyの音楽は、ダンスミュージック・HIPHOP・テクノ・ロックの垣根を崩して、全世界へ衝撃を与えました。
Album「the fat of the land」(1997)
The prodigy史上最高に売れたのが「the fat of the land」。全世界で1000万枚を超える特大のモンスターヒットを記録。洋楽に詳しくない方でもデジロック最高じゃねーか、と思えるアルバムです。非常に速いテンポの変則的なドラムビートに、うねる様なベースが重なるドラムから生み出される電子音楽・ドラムンベースを軸に持っているのは、Liamがドラム経験があるから、ドラム演奏のフレーズをリピートする奏法で作り上げている気がします。
PickUp.1「Firestarter」(1997)
残念ながら、Keith Flintは逝去してしまいましたが、その後のライブのこの演出が凄く好きです。Keithのトレードマークである逆モヒカンのシルエットを映写した演出に大興奮!そして、彼らが初めて大ヒットした曲「Firestarter」 が流されます。
PickUp.2「the Breathe」(1997)
「the fat of the land」の特徴はMaximとKeithが暴れやすい動のビートと途中不気味かつサイケデリックな雰囲気を纏う静の時間。この静と動が相乗効果を生んでおり、展開が多くて聴いているだけで満足度が高くなるアルバムになっています。
PickUp.3「Funky Shirt」(1997)
個人的に気に入っている楽曲です。個人的には「Oh my god, that’s some funky shit!」というフレーズが凄く好みなのですが、元はBeastie Boysの「Root Down」(1995年) のフレーズです。しかし、Beastie Boysから気に入られていたため、フレーズの使用を許可されていましたが、色々あり…結果的に不仲になってしまったそうです。