やり場のない怒りをどこにぶつけていますか?直接人に当たる人や物に当たる人、ストレスをうまく発散する人、溜め込んでしまう人など色々いるかと思いますが、私は溜め込むタイプか、音楽にぶつけている。

ネオナチに抗う若者による暴動「Atari Teenage Riot

ドイツで結成されたハードコアバンド。特徴的なのは、過激なメッセージ性と強めの思想だ。旧ナチスやネオナチ、ファシズムといった多様性を排除する全体主義的な思想に対して、自由を求めて。革命を起こそうぜ!と訴えている。よく考えると、メンバー構成は白人・黒人・日独ハーフ女性、一児の母という、まさに多様性の塊である。「政治不信への怒りをぶつけるために、10代の少年少女達が起こす暴動」というのが本来のテーマなのだ。10代の少年少女達が、暴力ではなく音楽で世の中を変えようとしている。まぁ、あまりに過激すぎるので、暴動を扇動している、とかの理由で、逮捕されたりもしているんだけどね。

そしてドイツだけでなく、世界を熱狂してくことになる。バンド名”ATARI”が日本語の”当たり!”という噂があったり、メンバーのニックエンドウが日系アメリカ人だったりと日本とも関係が深いバンドであり、2011年に東日本大震災が発生した時、駆けつけてくれたバンドの一つでもある。

Album「Burn, Berlin, Burn!」(1997)

そんな尖りに尖っていたこの時代に発売したのが「Burn, Berlin, Burn!」。ATRって最初に聞くと、音がデカすぎて正直うるせえなあ…と思うかもしれない。静かな音楽ばかり聴いて歌詞に浸っていたい、という方は合わないと思う。ただATR入門したい方にとってが、この「Burn, Berlin, Burn!」が比較的入りやすい。正直全曲良い。本当に捨て曲がない。

PickUp.1「Destroy 2000 years of culture」 (1997)

題名の通り、2000年間の古い慣習をぶっ壊せ!と革命を投げかける楽曲。全体的に映像もカラーも主張が強く、画素数が粗いアナログ放送時代のテレビっぽさが、被写体の彼らの得体が知れない不気味さを醸し出しているのが個人的にはポイントである。

PickUp.2「Atari Teenage Riot」(1993)

デビューシングル曲の「Atari Teenage Riot」も「Burn, Berlin, Burn!」に収録されていて、9曲目の「Atari Teenage Riot」から10曲目の「Delete Yourself」への繋ぎ方が絶妙に好き。「Atari Teenage Riot」「Delete Yourself」は特に何度も聴く。ちなみにこの二曲はデビューシングルからの1stアルバム名の楽曲への繋ぎになっている。