Atari Teenage Riotの伝説
前回、Atari Teenage Riotというバンドとアルバム「Burn, Berlin, Burn!」(1997年) について紹介した。今回は第二弾!ということで、「60 Second Wipe Out」についての紹介をしていく。
この年のAtari Teenage Riotといえば、Nine Inch Nailsとのツアー中、ロンドンのBrixton Academy 1999であまりの忙しさとドラッグで気が狂った状態でひたすらノイズを垂れ流す、という伝説を残したライブがあった。こちらは機会があれば紹介しよう。
Album「60 Second Wipe Out」(1999)
いかにもAtari Teenage Riotらしいアルバムジャケットが時代を懐かしませてくれる。昔の格闘技大会(例えば、PRIDEやK-1とか)やPS2時代の格ゲーのロゴで使用される感じが、良い意味で”バカ”っぽくて私は大好き。さて、本作品の音楽性ですが、もちろん「Burn, Berlin, Burn!」の時とブレずに社会に対する怒りを狂気的に叫んでいる。よく聞いてみると、より一層デジタル色が強めになっている変化や「60 Second Wipe Out」の構成で練られているなぁと感じるポイントもありますので紹介していこう。
PickUp.1「Revolution Action」 (1999)
この曲からスタート!イントロのギターリフからのワクワク感が凄い。今作の中では最も有名な楽曲でPVも存在しているが、社員たちが無表情で狂暴な暴力集団になってオフィスを襲うというクレイジーな作品となっている。※暴力的な演出があるため、人によっては視聴注意。
PickUp.2「Western Decay」(1999)
3曲目に入るこちらの楽曲は盛り上がりのインターバルっぽさを感じます。しかし、この楽曲が気持ちの昂ぶりを誘発させている気がする。どこか遠いところでボーカルとMCが叫んでいる錯覚と単調に続いていくリズム。「Western Decay」で焦らしに焦らせておいて、「Atari Teenage Riot II」へと続いていく。「60 Second Wipe Out」というアルバムの構成を考えた以上、前半部分のキーになっているようにも感じる。
PickUp.3「Digital Hardcore」(1999)
一生聴いている。”Digital Hardcore“というタイトルですが、これこそ”Digital Hardcore“って感じです。電子音とハードコアの粗さを表現しており、例えるならエレキーギターで演奏中にアンプごと破壊して、音がぶっ壊れたノイズ音を一生垂れ流している。ここまで壊れた音を表現できて、これを曲として成立させられるのは”Digital Hardcore“の音楽だけである。プログラミング担当のアレック・エンパイアの才能に脱帽している。次曲の「Death of a President」まで流れで聴いてしまう。