Alternative Rock
ロックは劣等感に寄り添ってくれる音楽です。ロックをやる人間というのは、自分自身に対して、何かしらの劣等感やコンプレックスを抱いた過去を持っています。それでも理想の自分に近づくために、現実とのギャップを埋める作業が必要です。そのためには先天的な才能の壁、努力の壁、環境の壁、運命の壁・・・など様々な障壁が発生します。ロックとはそういった壁を感じて無惨な現実を認識しようとも、せめて自分を飾る表面的な仮面だけでも自身が望む理想であろうとする自己顕示的な欲求から生まれた音楽です。ロックを聴けば、ロックを演れば、自分自身が信仰する「神」に近づいた気持ちにさせてくれます。その行為自体が気持ちよくて、中毒的になってしまいますが、その時点で貴方はすでに立派なロッカーです。
90年代のhideやMarilyn Mansonなどのロックバンドが謳う破滅欲求・終末思想の世界観は僕を狂わせました。決して綺麗事は言わず、自分の傷がボロボロになったとしても、「自分とは違う何か別の人格にさせてくれる = 黒い翼を生やす」と形容しますが、黒い翼を授けてくれる力が彼らの楽曲にはありました。いついかなる時も、正しい自分であろうとすることって重要なのでしょうか?合理的には物事は進まない、自分の能力が追いつかない、大義が必ずしも勝つとは限らないで悩むこの社会。たまには羽目を外して、黒い翼を求めてみたくなりました。「何か辛いことがあったとしても、私は黒い翼に手を染めれるからな」という設定で、この混沌とした現代を生きています。そうやって精神を病まないためには、必ず自分自身の拠り所と逃げ道を見つけておきます。