現役で進化し続けるバンド「Incubus」

Incubusってどんな音楽やってるの?」と聴かれても、「どんな音楽…?ジャンルで言うと…まあ聴いてみな」としか回答できない。彼らは「ヘヴィサウンドを強調するラウドロックバンド」「ラップやDJを織り交ぜたミクスチャーバンド」「オルタナティブロック」でもある。時代を経るにつれて音楽性が変化するIncubusに、〇〇系ロックという枠を定めることはナンセンスである。

スポーティーなイケメンボーカル・Brandon Boydとバンドサウンドの頭脳・Mike Einzigerを中心に結成された。Mikeはハーバード大学で音楽理論と物理学への見識が深く、とにかく知的探究心が高い。世界トップクラスのエフェクターへの拘りを持ち、音の物理レイヤーまで知り尽くしている。まさに、ギターの全てを理解しようとする男だ。

1991年結成のIncubusは、新たにベーシストが代わったり、2024年に来日公演したりなど、常に現役で進化し続けるバンドである。

Album「Make Yousrself」(1999)

Incubusの転換点となったアルバム。

一作目の「Enjoy Incubus」(1997年)と比較すると、ラップなどミクスチャー要素が薄まり、メロディアスなオルタナ志向へ舵を切った作品である。そのため、アルバムを通して、比較的キャッチーな楽曲が多いため、Linkin ParkRed Hot Chili Peppersから洋楽ロックへ入門した人へお勧めしたいアルバムだ。1997年に発売されたIncubus初期の「Enjoy Incubus」「S.C.I.E.N.C.E」も個人的にはおすすめなので、機会があれば、本ブログで紹介したい。

PickUp.1「Privilege」(1999)

アルバムのスタートダッシュで度肝を抜かせるギターのイントロで、まずコピー演奏意欲が湧いてくる。個人的には間奏(02:19〜)でPCの警告音的な音をループさせているのがツボである。

PickUp.2「Drive」(1999)

Incubusの中でもトップクラスに入る名曲であり、アコースティクギターとスローテンポが特徴的な一曲。ギター初心者向けの曲として、度々紹介されているけれど、ギターのコード譜はシンプルなのに、これだけアコースティックギターの音に聴き惚れできるのは、曲をナチュラルに魅せるMikeの音作りのおかげである。

PickUp.3「Stellar」(1999)

噂によれば、アメリカではこの楽曲が頻繁にラジオでかけられていたとのことで、曲名は知らないけど、楽曲自体は聴いたことがある人が多いらしい。PVがいかにも2000年代なCybercoreの美学を盛り込んだ作品となっている。